「アルコールフリー」なのに成分に「アルコール」? — セタノール・ステアリルアルコールの正体と、フリー表示の読み方
目次
選んだはずの「アルコールフリー」、裏返したら
「アルコールフリー」と書かれた化粧水を選んで、何気なくボトルを裏返す。小さな文字の全成分表示を目で追っていくと、途中に「セタノール」、その先に「ステアリルアルコール」。
「え、アルコール入ってるじゃない」と、ちょっと裏切られた気分になった経験はないでしょうか。
結論からいうと、これは表示の間違いではないことがほとんどです。この記事では、化粧品の「アルコール」が一般に何を指すのか、名前に「アルコール」がつく別の成分の正体、そして「フリー」表示を読むときのポイントを整理します。どれが良い・悪いという話ではなく、表示の意味を知っておくための話です。
化粧品の「アルコール」は、一般にエタノールのこと
化粧品で「アルコール」という言葉が使われるとき、多くの場合はエタノールを指すとされています。消毒用のアルコールと同じ仲間、と説明されることが多い成分です。
全成分表示では、「エタノール」という名前で書かれているのが一般的です。製品によっては「変性アルコール」という表示名で載っていることもあるといわれています。
そして「アルコールフリー」という表示は、一般にこのエタノールを配合していないことを指すとされています。「アルコールと名前のつく成分がひとつも入っていない」という意味ではない、というのが最初のポイントです。
名前に「アルコール」がつく、別の成分たち
では、裏面で見かけた「セタノール」や「ステアリルアルコール」は何なのか。
これらは名前にアルコールがつくものの、エタノールとは別の成分として扱われるのが一般的です。化粧品の全成分表示で見かけやすいのは、たとえば次のような名前です。
- セタノール
- ステアリルアルコール
- ベヘニルアルコール
- セテアリルアルコール
これらは俗に**「高級アルコール」**と呼ばれることがあります。ここでいう「高級」は品質やグレードのことではなく、成分の構造の違いを指す呼び名だとされています。「高級だから良い成分」という意味ではない点は、覚えておくと誤解しにくくなります。
化粧品の中では、クリームや乳液のテクスチャーを整えたり、水と油をなじませたりする目的で使われることが多い、と説明されています。液体のエタノールとは見た目も役割も違う、と考えておくと整理しやすいはずです。
つまり「アルコールフリー」の製品にセタノールが入っていても、表示としては矛盾していないことが多い、ということになります。
「フリー」が何を指すかは、製品ごとに違う
ここでもうひとつ知っておきたいのが、「アルコールフリー」という言葉そのものに、統一された定義はないとされている点です。
「エタノールを配合していない」ことを指すのが一般的だとされる一方で、製品によっては「ノンアルコール」「エタノールフリー」など別の書き方もあり、どこまでを対象にしているかはメーカーや製品ごとに異なる場合があるといわれています。
これは 「無添加」の記事 で整理した構造とよく似ています。「〇〇フリー」「〇〇無添加」は、何かが入っていないことを示す表示であって、それだけで製品の中身をすべて説明してくれるものではありません。
また、「薬用」と書かれた医薬部外品は、化粧品とは表示のルールが別です。成分名の書き方が化粧品と異なることもあるため、ここまでの話は「化粧品の場合」として読んでください。区分による違いは 全成分表示の読み方の記事 でも触れています。
棚の前で確かめる、3つのこと
「アルコールフリー」の表示を見かけたら、次の3つを確かめてみてください。
- 「何が」フリーなのかを探す — パッケージや公式の説明に「エタノール不使用」のような具体的な記載がないかを見ます。具体的な記載が見つからなければ、その「フリー」が指す範囲は表示からは分かりません
- 全成分表示で「エタノール」「変性アルコール」を探す — 気になるなら、表の言葉だけでなく裏面の名前を確かめるのが確実です
- 名前の「アルコール」だけで判断しない — セタノールやステアリルアルコールは、エタノールとは別の成分として扱われるのが一般的です。名前が似ているだけで同じものと考えないのがポイントです
そのうえで、どちらが良いという順位はありません。エタノールが入っている製品にも、入っていない製品にも、それぞれの設計の考え方がある、といわれています。
なお、使っていて肌に違和感が続く場合は、自己判断で使い続けず、皮膚科などの専門家に相談してください。
確かめたことは、覚えておかなくていい
裏面を読んで「これはエタノールなし」と確かめても、数ヶ月後に次の1本を選ぶときには、たいてい忘れています。使い切って捨てたボトルの全成分は、もう読み返せません。
nocci では、使っているコスメをアイテムとして登録して、「エタノールなし・9/19から」のようなメモを残しておけます。切り替えた日と同じ時期の肌コンディションの記録を並べて見返せるので、「あの化粧水に替えた頃、肌の記録はどうだったか」を記憶ではなく記録で確かめられます。nocci が成分や製品の良し悪しを判定するわけではなく、あなたの記録を見える化して返すのが役割です。判断するのは、記録を見たあなた自身です。
今日、手元の化粧水を1本だけ裏返してみてください。「フリー」の表示と裏面の名前を見比べる1分と、確かめたことをメモする数タップ。それが、次の1本を選ぶときの自分だけの手がかりになります。
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