化粧品の全成分表示、読めてる? — 並び順のルールと「上に書いてあるから良い」ではない話
目次
裏面の小さな文字、最後まで読んだことありますか
化粧水のボトルをくるっと裏返すと、小さな文字がびっしり。「水、BG、グリセリン……」と始まる長いリストを、最後まで読んだことはあるでしょうか。
ほとんどの人は、途中で目が滑って戻してしまうはず。でもこのリスト、実は並び方にルールがあります。ルールを知っていると、棚の前での見え方が少しだけ変わってきます。
並び順の基本ルール — 「配合量の多い順」とされている
日本で販売される化粧品は、配合されている全成分を容器や外箱に表示することになっています。そして並び順は、配合量の多い順に書くのが基本ルールとされています。
多くの化粧水で先頭に「水」が来るのは、このためです。ベースとなる水がいちばん多く、その後に保湿剤や増粘剤などが続く、という順番になっていることが多いのです。
ただし、このルールには例外もあります。
- 配合量が1%以下の成分は、順不同で記載できるとされています。つまりリストの後半は、必ずしも量の順ではない可能性があります
- 着色剤は、まとめて末尾に記載できる扱いになっています
「どこからが1%以下なのか」は表示からはわからないため、リストの後半の並びから配合量を推し量ることは、実はあまり意味がないといわれています。
注意: これは「化粧品」の場合の話
もうひとつ大事な前提があります。ここまでの話は、「化粧品」に分類される製品の場合です。
「薬用」と書かれた化粧水や美白系のアイテムなど、医薬部外品に分類される製品は、表示のルールが別です。有効成分とそれ以外を分けて書く形式が使われることが多く、全成分の記載方法も化粧品とは異なります。手元の製品がどちらなのかは、パッケージの「医薬部外品」の記載で見分けられます。
サプリの世界にも似た「区分によって表示ルールが違う」構造があります。こちらは サプリのラベルの読み方の記事 で整理したとおりです。
「上に書いてあるから良い」ではない — 並び順を読むときの3つのポイント
ここがいちばん誤解されやすいところです。並び順はあくまで配合量の順であって、成分の良し悪しの順位ではありません。
読むときに気をつけたいのは、次の3点です。
- 上位=効く、ではない — 先頭付近は水やベース成分が占めるのが普通で、上位にあることと肌への働きは別の話です。逆に、注目の成分がリストの後ろのほうにあるからといって「意味がない」と判断できるものでもないとされています
- 後半の並びは量の順とは限らない — 前述のとおり、1%以下の成分は順不同で書けるため、後半の位置関係の比較にはあまり根拠がありません
- 成分数の多い・少ないも優劣ではない — シンプル処方にも多成分処方にもそれぞれの設計思想があり、リストの長さで良し悪しは決められません
つまり全成分表示は「この製品に何が入っているか」を知るための情報であって、製品同士を採点するための表ではない、ということです。
それでも読めると便利な場面
順位表ではないとしても、全成分表示が読めると役に立つ場面はあります。
- 合わなかった成分の見当をつけたいとき — 肌に合わなかった製品同士のリストを見比べて、共通する成分をメモしておく、という使い方があります。原因の特定は自己判断では難しいものの、次に選ぶときの手がかりにはなります。気になる場合は皮膚科などの専門家に相談するのが確実です
- 「同じような製品」を見分けたいとき — リストの前半の顔ぶれが似ていれば、使用感の傾向が近いことがある、といわれています
- お気に入りの共通点を探すとき — 手応えを感じた製品のリストを並べると、よく登場する成分に気づくことがあります
どの場面にも共通するのは、見比べるには「前に使っていたもの」の情報が手元に残っている必要があるということです。使い切って捨てたボトルの全成分は、もう読み返せません。
読み返せるように、使っているものを残しておく
全成分表示は製品と一緒に手放してしまいがちな情報です。だからこそ、いま使っているアイテムを記録しておくことに意味が出てきます。
nocci では、使っているスキンケアやコスメをアイテムとして登録して、肌コンディションの記録と一緒に振り返れます。気になる成分があればメモに残しておけば、「あのとき使っていたのはどれだったか」を後から並べて見返せます。nocci 自身が成分の良し悪しを判定したり、製品を勧めたりするものではなく、あなたの記録を見える化して返すツールです。
棚の前で裏面を読む1分と、使っているものを残しておく数タップ。その積み重ねが、次の1本を選ぶときの自分だけの手がかりになっていきます。
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